「響~小説家になる方法~」
1巻の感想とレビュー
作品情報
・タイトル:響~小説家になる方法~
・作者 :柳本 光晴
・ 発売日 : 2015/2/27 ~
あらすじ
舞台
主に主人公の学校生活が舞台。
概要
低迷する出版業界。そこに突如投げ込まれた馬鹿げた才能。出版不況にあえぐ純文学編集部に一つの作品が届くことから物語は始まる。
主人公、高校生の響は読書が大好きで自分でも物語を描いてみるような、ちょっとタガが外れている意外は何処にでもいる高校生。
ある日響はただ自身の感覚が正しいものか知りたいという理由で出版社に手書きの小説を送りつける。
ワード形式の作品のみ受け付ける新人賞の公募時期であった出版社は響の小説を規定違反として未開封のままゴミ箱に捨てるが、たまたま目に止めた花井 ふみがこれを拾い上げ読み始める。
読み終えた花井はその内容の恐るべき完成度に愕然とし、無理矢理にでも新人賞にねじ込もうと躍起になる。
冒頭の出版社に規格外の作品を送りつけて、というのは有名な京極夏彦氏の「姑獲鳥の夏」の逸話が元でしょうか。
既刊一覧
※1話無料で試し読みできます。
見どころ
💡痛快な主人公のキャラクターと何処へ転ぶのかわからない展開が見どころ!
普段は奇行が目立つものの普通の学校に通う女子高生の主人公。
その裏で主人公が投げ込んだ作品によって日本が、大人たちがてんやわんやするという聞いただけで面白い設定。
常識ハズレの行動を取る響。しかし、おおもとをたどるとそれは誰もが考えていること。
普通私たちは上司がムカついたからと言って殴ることはありません。
しかし響は殴ります。読者が日々溜め込んでいる日常のなんてことのないストレスを代弁してくれる存在としても非常に大きな意味を持つキャラクターです。
要するに「さすが響!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ(略)」ということです。
いちおう内容としては無茶な言動を繰り返しながらも主人公が小説家として絶大な影響力を示していく、というようなお話ですが多分それはオマケのようなものです。
作者
作者は「柳本 光晴」
本作が3作目の商業作品になります
十年近く同人活動をされていた作家さんで同人作品が非常に多いです。
商業作品のデビュー作は成年誌になるかと思います。
ホームページ・SNS
過去の作品(別名義、読み切りを含む)
- 女の子が死ぬ話
- きっと可愛い女の子 だから
- 響 〜小説家になる方法〜
- 龍と苺
サークル名:TTT 名義:ミハル
・CUTIE―――――Fate/stay night
・feti―――――Fate/stay night
・feti saber rider―――――Fate/stay night
・フェティシズム本 涼宮ハルヒの憂鬱
・風香といっしょ―――――よつばと
・ハルヒかわいい―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・ハルヒの足本―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・遥さんがうんざりしながらします。――――もやしもん
・ヘンタイフェチ’s―――――よろず
・ヘンタイフェチ’S 2―――――よろず
・ひきこもりお嬢様のべたべた―――――ハヤテのごとく!
・ひたすらフェチ FATE編―――――Fate/stay night
・三者三葉パロ H×Y―――――三者三葉
・翡翠 ~カワセミ~―――――オリジナル
・Kokuhaku―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・まほろぱにっく―――――まほろまてぃっく
・makidera falls in love―――――Fate/stay night
・マリアさんご指名です!―――――おおきく振りかぶって
・present―――――オリジナル
・reminiscence―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・埼玉ブルース―――――おおきく振りかぶって
・still standing in the bog vol.2―――――Fate/stay night
・still standing in the bog vol.2.01――――Fateシリーズ
・under arm―――――月姫
・valentine―――――オリジナル
・ヨーコ風味―――――天元突破グレンラガン
・よろずフェチ 寝取られ―――――よろず,
・よろずfetishism―――――よろず
・よろずfetishism 2―――――よろず
・ゆかりファクタ―――――らき☆すた
・ユキんこLOVER―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・ユキんこのフェティシズム論―――――Fate/stay night, 涼宮ハルヒの憂鬱
・2人のメリークリスマス―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・Girls!―――――不詳
・regiment winter 2004―――――鋼の錬金術師
・あなたが私にくれたもの―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・エンドオブアポカリプス 終末の黙示録――――咲-Saki-
・オンリー ユー Aパート―――――化物語
・オンリー ユー Bパート―――――化物語
・オンリー・ユー Aパート―――――物語シリーズ
・お弁当―――――オリジナル
・きがえせいばー―――――Fate/stay night
・クリスマスはあなたと―――――東方Project
・シエルの日―――――月姫
・ドジデレ―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・どヘンタイめっ!―――――ハヤテのごとく!
・ハルヒかわいい2―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・ひな家―――――オリジナル
・フリージアの少女―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・ポロポロ―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・マリアさんご指名です!―――――おおきく振りかぶって
・ラブリンセイバ―――――Fate/stay night
・ラブリンセイバ vol.1―――――Fateシリーズ
・夏祭りと私―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・夢オチ―――――オリジナル
・屋敷ROUTE―――――月姫
・恋々―――――咲-Saki-
・恋人以上恋人未満 ――――涼宮ハルヒの憂鬱
・日菜子さん―――――オリジナル
・日菜子さんと携帯電話―――――オリジナル
・歩くシエル―――――月姫
・秋葉ウエストゲートパーク―――――月姫
・足フェチよろず本―――――Fate/stay night
・雫ru。―――――HUNTER×HUNTER
・[無題]―――――とある科学の超電磁砲
・あなたを好きな女の子―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・アルクェイドの日―――――不詳, 月姫
・朝倉もしも―――――涼宮ハルヒの憂鬱
・アシダケ―――――涼宮ハルヒの憂鬱
作者のその他の作品紹介



感想
読者自身が普段我慢していることを平然とやってくれる主人公像が爽快。
舞台はあくまでも現実世界なので、そこで思ったとおりに行動し、なおかつ才能という力を持っている主人公に読者は感情移入し憧れること請け合いです。
どのエピソードもとにかく主人公の行動が痛快。
またそれを際立たせるサブキャラクターの存在も欠かせません。細部まで作り込むと言うよりは、一番見せたい部分を1番目立つ形で演出するというのが作者の手法のようです。
そのためそれぞれのサブャラクターにも共感する人が少なからずいると思います。いうなれば誇張された等身大といったところでしょうか。
ネットの評価
- どういう小説がいい小説なのかというところが具体的なことが書かれていないので、「この作者、ほんとに小説好きなの?」って思った
- 以前は絵柄が好みと合わず途中で読むの止まっちゃったのだった
- 大人しそうなのに、唐突にエキセントリックな行動を取る響のキャラクターに引っ張られてしまう
- 設定にも行動にもいろいろ無理があるし、そもそもこんな変な子が人の心を動かす小説を書けるのかという疑問
- 響ちゃん。暴力的で無垢で、学校にいたら絶対に関わりたくないな
読書メーター
予想はしていましたが否定的な意見が多い。それでも人気がですそれだけ尖っているということですね。刺激的な作品です。
総評
この作者はとにかく煽り方が上手い。
究極的にはそれに尽きます。
基本的な構図は、はじめいわば敵役として現れるキャラクターが散々読者の心をささくれ立たせておいて、最終的には主人公の言動でぐうの音も出ないほど叩きのめされて仲間にあるというような内容です。
抑圧からの開放、カタルシスを全面に押し出した構成なのですが、それがとにかくハマっています。
現代のストレス社会に求められる存在であったというもの大きいと思います。
ただちょっと作者の引き出しの数が少なかったのが残念で、最後の何巻かはまたいつものパターンね、という感じもあります。その辺はちょっと惜しいというかもったいないかなと。
それからこの作者さん、活動歴が長い割に作画が結構怪しいです。
実際、絵が下手だから読んでないという人も結構いるようです。個人的には内容に引っ張られてそこまで気にならないですが、それでもやはりもうちょっと絵が良ければなと思うシーンもたしかに有りました。
関連情報
メディアミックス
実写映画化された作品ですが、アニメ化はされていません。
●映画・ドラマ
(出演:平手友梨奈, 北川景子, アヤカ・ウィルソン、他)
●小説版
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