骨ドラゴンのマナ娘
記事の見方・筆者

この記事は現在までに1万冊以上の漫画を読んだ管理人が総合的な視点で書いています。
感想は個人としての感想、総評は今まで読んだ漫画との相対評価として参考にしていただければ。
作品情報
【タイトル】骨ドラゴンのマナ娘
【作者】 雪白いち
【発売日】 2021/4/14
【掲載誌】 マッグガーデンコミックス
登場人物

【イブ】
森に捨てられた少女。魔女として生きることに。

【ネム】
古竜。老死し、イブに蘇生される。

【ユウル】
幽霊屋敷で宿屋を商う胡散臭い男。

【ネム】
エルフの植物魔法使いで旅商人。
(2巻登場)
舞台
ドラゴンのいるファンタジー世界が舞台。
概要
不要なものの投棄場として有名な”屑篭の森”に捨てられた少女イブは老ドラゴン・ネムに助けられ生き延びることに。しかしまもなくしてネムは老衰のため死んでしまう。魔法の素養のあったイブは半年間かけてネムを骨ドラゴンとして復活させることに成功。自身も幼いイブが気がかりだったネムは、彼女が生きていく上での知識と魔法の技術を培うためにイブを連れて人里へと旅立つことに。
絵がとてもいいです。
各話概要
※この項目はネタバレを含みます。
苦手な方は飛ばしてください。
各話タイトルと、大まかな流れのみ記載しています。
第1話 老ドラゴンはまだ逝けない
上空、巨大な鳥から全てが捨てられる”屑篭の森”へと放り捨てられる幼い少女。なんとか一命をとりとめ、落下地点にいたろうドラゴンの気まぐれにより助けられる。
少女=5歳のイブは、年老いて寝てばかりいるドラゴンにネムと名付けしばらく暮らすが、ある朝、寿命を迎えたドラゴンはついに目を覚まさなかった。
半年後、膨大な魔力を持つイブは拾ってきた魔導書をもとにネムを骨ドラゴンとして蘇生する。イブの成長のため森を出て人里へ向かうことに。
第2話 出逢いとコネはカネ次第
街までたどり着き、まずは資金調達のためネムの骨を売ることで大金を手にするもひと悶着あり、幽霊屋敷で宿屋を営む青年ユウルと出会い宿泊する。
翌朝ネムの子供を探すためドラゴンに襲われたという馬車のもとへ向かうがそこには大蛇の魔物が。イブの訓練のため魔法を試すが失敗に終わる。しかし魔女として評判になり、ユウルの仲介で依頼を受けて収入を得ることに。
第3話 魔女のお仕事はじめました
依頼は順調に集まるもイブは過労気味。
今回は山猫退治の依頼を受けるが、依頼者はその子供が目的だったらしく怒ったイブが魔法を行使。少しまともに使えるようになる。
そこへ新たなドラゴンが。
第4話 飛竜が来れば、宿屋が儲かる
ドラゴンはネムの知り合いで、ネムの子供の一匹が山頂で暴れているという情報を得る。ユウルが現れ、なぜかドラゴン相手に依頼を売り込み貴重な竜のウロコを入手。
ドラゴンに山頂まで運んでもらうも、子ドラゴンの影響で街の方へ向かう動物たちを止めるため麓へと戻り、魔法で食い止めることに成功。イブの魔法はドラゴンの姿を型どり始める。
山頂に戻り、子ドラゴンの暴走の原因を探るためユウルの能力で幽霊を呼び出す。
第5話 目と目が合えば濃い関係
幽霊たちの情報で魔女と行動をともにしていたらしいことがわかる。
山頂に小屋があることに気づき、中を調べると魔女のすみかであったらしいことがわかる。
街へ向かった子ドラゴンが人を襲うことを危惧して後を追い、監視するがその様子はない。しかし、監視に気づかれ、ネムが噛みつかれてしまう。イブは魔力で意図せずネムを巨大化させる。
第6話 竜と魔女
逆に子ドラゴンを咥えたネムとともに山頂へと戻り、子ドラゴンを正気に戻すことに成功。彼の探していた魔女マリィベルが死亡していた事実を伝える。
子ドラゴンは魔女に命を救われ、少女の頃から共に過ごしてきたが、最後に街へ行ったっきり小屋に戻らない彼女を待ち続けていたらしい。
ユウルがイブの魔力を使いマリィベルの魂を呼び出し、別れを交わす。その光景にネムが死んだときのことを思い出し涙するイブ。子ドラゴンはこれからイブの兄として手助けすることに。
作者
作者は「雪白いち」
本作が2作目の単行本作品になります
本作の単行本発売を期にツイッターを開設されたようですが、基本的にweb上での同人名義での活動はありません。ツイッターも情報発信が主で、webでの積極的な交流や活動からは距離をおいているようです。
ホームページ・SNS
『骨ドラゴンのマナ娘』第4話のご感想ありがとうございます。
— 雪白いち (@1yukishiro) December 28, 2020
いつも励まされております。
第5話配信は来年1月25日になります。
今年も残りわずか、暖かくしてお過ごしください。 pic.twitter.com/pGI6fbXjyN
その他の作品
単行本
感想
内容は意外とゆるく、小ネタやキャラの軽妙なやり取りが豊富です。その意味で、設定や絵柄はガチガチのファンタジーでありながら冒険譚というよりはどこかゆるい日常系のような読後感も。それでも要所要所で感動的な話や伏線も散りばめており、今後の展開にも期待大です。
みんなの感想
- 絵が極めて良い。ただこの絵があるならあんま小ボケみたいなのに走らないほうが個人的には良いかなとも思う。
- 言い回しが面白いのとほぼ無表情な主人公が可愛い。
- 1話の密度がすごい。読んでてイヴとネムがお互いを大事に思うのが納得できるしターザンロープはおもろい!
- えげつなく可愛い。
- 人外のデフォルメが可愛く、小さいコマでもしっかり描き込んでいてとても丁寧な印象。全体的に可愛らしいです。
読書メーター
イブの可愛らしさと丁寧な画面だけでも一読の価値あり
総評
今後に期待する意味でも押さえておきましょう。
1話で話、作画ともに密度が濃く引き込まれました。ドラゴンやモンスターもうまく作品の雰囲気に馴染むようにまるいタッチで描かれており、主人公イブも無気力顔でとってもかわいいです。内容としてはすでにかなりの展開を見せていますが、まだ世界を見せている段階というか、根幹の部分は見えてこない印象。今後どの方向へ進むのか。シリアス方向も全然ありだと思います。
内容
近頃のはやりの作風というか、『鬼滅の刃』『葬送のフリーレン』などのような、シリアスを主体にギャグを混ぜていくというのが一応メインの方向なのかなと。イブの世界を広げていくという流れだとは思いますがまだ今後の展開は読めないですね。
作画
絵がうまい、というか好き。キャラはもとより背景がファンタジーの世界観にドンピシャの緻密で丸い画風です。作者は背景なども自身で作画されているようですがトーンの貼り方なんかも上手いですねぇ。
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